おせちのコスト削減
5月暖かい季節に母の日とは何ともいい雰囲気でマッチしていると思う。
母の日と言うとまず思いだしてしまう大失敗がある。
我が家は東京オリンピックの年に東京に引っ越してきた。
それまで住んでいた田舎では、母の日なんてどこの家でも話題にもならないような生活だったので、母の日にカーネーションの花をお母さんにあげるなんて事は全く知らなかった。
当時小学生だった私は学校で母の日の話を聞いて、東京という所は何てハイカラなのだろうと驚いた。
カーネーションの花をあげると言っている友達の話を聞いて、私も花屋さんにカーネーションを買いに行きたいと思った。
田舎では花は野山や庭に咲いているもので、お店で買うものだなんて考えたこともなかったから、それはそれは楽しみだった。
思い返してみれば、あれが花屋さんに足を運んだ初めての経験だったように思う。
母の日の朝、幼い妹を連れてわずかばかりのお小遣いを握りしめて、いそいそとお花屋さんに行ったのだ。
店内はお花でいっぱいで妹と二人でうわあっとため息が漏れた。
赤、白、ピンク、黄色のカーネーションがいっぱいバケツに挿してあった。
幼い子供のお小遣いはたかが知れている。
花束になるほど買える訳もなく、踏ん張って2本が限界だったが、妹と二人で一生懸命迷った。
母は赤い色が嫌いだった事を思い出して、赤は止めようと妹と話して他のどの色がいいか迷ったのだ。
結局白とピンク、それもすごく薄い色のピンクに決めた。
店のおじさんに、これくださいと言うと、おじさんは急にすごく優しい笑顔になって、「偉いね、これもおまけしてあげるね。
」と言ってもう一本白いカーネーションをおまけしてくれた。
すっかりいい気持ちになって私は妹と手に手を取って帰宅した。
私達は白いカーネーションの意味を知らなかったのだ。
家に帰っておまけしてもらったことを誇らしげに報告して母にあげた時、その意味を聞いて初めて私達はあの店のおじさんの笑顔の意味を理解したのだった。
健気な幼い姉妹に優しくせずにはいられなかったのだろう。
その母は今も健在だ。
今でも母の日になると必ず思いだす出来事である。
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